店長のひとりごと


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2002年6月17日(月)

今日はカルフ・ヴァン・ウォルフレン先生の最新著
「ウォルフレン教授のやさしい日本経済」(ダイヤモンド社)を読みました。

このウォルフレンって人はオランダ人経済学者なんだけど、日本経済について
ものすごく深く研究している人で、代表作としては当時のベストセラーになっ
た「人間を幸福にしない日本というシステム」(1994年)があります。

この「人間を幸福にしない日本というシステム」の内容をちょー簡単にめちゃ
めちゃ略して言ってしまえば「日本というシステムは大企業がそのシェアを拡
大し、経済戦争に勝利することを最優先の目的として構築されているので、市
民は幸せを実感できないでいるのだ」というものです。このことを分かりやす
く緻密に書いてあるのでしろうとでもとても面白く読めます。

私なんかはこれを読んで「なぜ日本の学校が面白くないか」という小学校入学
以来24年間感じつづけてきた疑問が解決してしまったくらいです。

さて、最新刊の「ウォルフレン教授のやさしい日本経済」ですが、内容が一般
の人の常識と余りにもかけはなれているので驚きも多いと思います。
(ウォルフレン先生の主張自身はこの10年変化していませんのでその著作を
読んだことのある人には特別違和感のある内容ではありません。)

そこでそのパンチのある文の一例をご紹介しておきます。

ひとつめは

(欧米の銀行は)法律のシステムによってできることとできないことが常には
っきりしています。日本にも法律はあるはずですが、システム全体が公式的で
ない日本の法律は、最終決定の拠り所にはなりません。

・・・
この言葉ってめちゃやばくない?。
「日本の銀行は法律を守らなくて良い」って言ってんですよ。


ふたつめは

問:日本の大企業は、どうして銀行から借りたお金を返さなくていいの?。
答:日本の金融システムにとって大企業は例外なのです。
・・略
大手の、非常に強力なコネを持つ企業は(・略・)借金を返済しません。
日本の銀行は返済を期待していないのです。これはもちろん、一般の人たちの
常識とはかけ離れています。一般の人の場合は、常識どおり、銀行で借りたお
金は返すというルールを守らなければいけません。大きな企業だけが例外なの
です。
・・・
これもやっぱり「日本には借金を返さなくても良い、言いかえるとお金つかい
たい放題の階級が存在する」っていってんですよね。

うーん、モウレツ!!
私はこんなウォルフレン先生が大好きです。